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らんちゅう魅力考 |
蘭鋳の魅力は何といってもその独特な容姿から醸しだされるなんとなく愛嬌ある表情と腰を優雅にくねらせて泳ぐゆったりとした気品ある泳動にあるのではないでしょうか。明二歳(孵化して二年目)ぐらいまではこのような可愛さがとても金魚とは思えない程です。 年月を経て、参年、四年にもなるともう立派な親魚となり可愛いというよりむしろ威風堂々たる面構えを有するようになり体格よく発達し、その眼をむいて睨みつけるような威圧感、それとは対照的に、腰から尾鰭にかけての気品ある優雅な泳ぎ(裾さばき)は、あたかもその体型は相撲の力士のようであり、優雅な泳ぎとその色艶やかさは、あたかも華やかな衣装を身に纏い道中を撫でるようにあるくおいらん道中のようでもあり、はじめて飼われる方は何とも風変わりな金魚がいるもんだと思われるはずです。 あえて一言でいうならば、ひょうきんでいて、堂々たる優雅さをこの生き物に感ぜずにはいられないでしょう。以上のように、外形的で内性的な美しさをもつこの魚は単に風変わりな金魚という枠組みを遙かに通り越えてしまって、各自の飼育方法による人間の手によって長い年月を賭けて創り出された芸術作品といえるでしょう。現にその歴史の古さと継承の絶えること無きや、大小問わず様々な形で開かれる品評会・研究会などはその会派の多様さから見ても飽くなき美の追求の賜物といえます。 誰でも最初はその可愛らしさに魅かれて飼いはじめ、世話をするのが生きがいと化し、しだいに自分の手で優雅で気品のある美しい蘭鋳の血筋を創出したくなることでしょう。そこまで思うなら、もう立派な蘭鋳愛好家です。現実的な蘭鋳飼育の魅力は、犬・猫のように隣近所への迷惑や、熱帯魚のように高度で高価な管理に気を配る必要がないことです。その気になりさえすれば、飼育設備や飼育環境にいくらでもお金をけることはできますが、とくにお金やスペースをかけなくても品評会で賞を取れるような魚を創るチャンスは誰にでもあるということです。(賞が取れれば相当なお値打ちものとなります。) 錦鯉のように広い池を必要としませんし(ベランダで飼う人もいます)、成魚になれば市販の一番安いペレット餌料でもすくすく育ってくれます。また品評会用に赤みを出すような餌を自分で研究開発(シークレット)する楽しみもあります。何事も人に習うには限界があります。なぜなら、飼育環境や種魚が違ったりしますから自分なりの飼育経験から学んだことのほうが得てして有益なことが多いのです。ただ、全くの基礎知識がないのも高価な観賞魚を死に至らしめる大きな原因となります。そこで、初心者の方に用意させて頂いたページが「らんちゅうの飼育」です。このぺーじで少しでも自信がもてたら、「らんちゅう鑑定講座」のページで良い魚がどういう体型・色柄なのかを感じとってください。(必死で覚える必要は全くありません飼育していくうちに垣間見る程度で十分だと思います。)おそらく蘭鋳を見る目が、単なる可愛さから生きる芸術品を観る目に変わることでしょう。 |
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